【堺市】陽の木の家 最小限の間仕切り

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【堺市】陽の木の家 最小限の間仕切り

見どころ

この家には部屋を隔てる間仕切りがほとんどありません。

玄関、個室、収納などの間仕切りを設けず、家族が一体となれる空間にすることを第一とされました。

廊下やデッドスペースなどの無駄を生まないことで、おばあ様の同居空間を1階につくることができました。

おばあちゃんがいつもいる空間はお子さん(孫)にとってとても嬉しいことでしょう。

「物を減らして広々住むこと」「生涯、健康に安全に暮らせる家を最低限の価格で実現すること」をどのように形にしたのかをご覧いただきます。

 

祖母との同居、実家との繋がり

最近多い問合せのひとつが、将来のための片親との同居スペース・子ども家族の帰省スペース・老後のための寝室を1階にもってくる設計が増えてきました。
 
この家でも、おばあ様と同居されるということで、1階にミニキッチン付きのワンルーム+寝室兼収納の2部屋を設けました。


ミニキッチン付きのリビングダイニング。広さ、落ち着きとも十分な空間


続きの間に寝室と収納も用意している

 
水回りは子世帯と共有、居室は別々の空間でプライベートを守りながら、安心して互いの空気を感じながら暮らせるようになっています。
 
また隣の敷地がご実家ということもあり、勝手口から出入りもできるように工夫されました。
 


実家と繋がる勝手口。子どもたちもお風呂に直行できる


実家との繋がりを生むため、玄関は作らず勝手口と大開口からの出入りとなる

 

将来は、このおばあ様スペースにご実家の親御さんを招くこともできますし、30、40年後には子どもたち家族の帰省スペースとや来客間として使い続けることができます。

子どもが孫を連れて帰省した際の居室がプライベート空間になっていることは、居場所をつくるとても大切な空間になります。

子どもに住み継ぐ際、家族構成の変化に対応できる計画をできたのも、40年以上先の人生と家づくりの設計を同時に行ったからです。

計画方法にご興味ある方は「家づくり勉強会」をぜひご受講されてみてください。方法が目からウロコと評判です。

 

玄関をなくしてワンルーム木の家に

実家と繋がりを重視したこの設計は、ソーラーコムの中でも珍しい玄関風除室のない家。ウッドデッキと繋がる連続した窓からの出入りで、大きな土間とリビング・ダイニングと繋がります。

 
確かに、温熱環境は合理的に考えると玄関風除室を設けることが正しいかもしれません。しかしソーラーコムでは住まい手様の十人十色の家づくりを大切にし、何が第一優先かを住まい手と相談しながら進めていきます。
 
結果、間仕切りや隔たりのない大空間であることがこの家のコンセプトになっていきました。

 

画像の説明文
画像の説明文

この広い土間がどんな使われ方をするのか、吹抜けとも繋がる無垢の大空間でどのような日常が待っているのか、とても楽しみです。

 

 

最新OMXの設備投資「全館冷暖房・太陽熱給湯・熱交換換気・発電」

ご主人のご要望で、OMソーラーの最新設備「OMX」が採用されました。太陽熱による床暖房、給湯、全館冷暖房、熱交換換気、発電がワンセットで搭載されています。

 
これにより、部屋ごとの温度差は無くなり、太陽や自然の風と応答して暮らせるパッシブな家になりました。
 
また発電パネルも設置し、自家発電により災害時の備えや、(価格は安くなってしまいましたが)売電の恩恵も受けることができます。
 
無垢の木の家に最高の温熱設備が備わったことで、さらに安心安全快適に暮らせる準備が整いました。
 


OMXの温度センサーリモコン。年中室温を一定に保ってくれる


給湯は太陽熱とヒートポンプの排熱で自動で湧き上がる

 
建築はただ予算をかけて設備に頼ったり、何かひとつの性能値を追い求めたりしても真に快適な家にはなりません。耐震や断熱もそうです。常に複合的に【デザイン・性能・居心地・機能・価格】のバランス取るかが重要です。それが工務店の役割であると常々思います。
 
この家の「OMX」も単体では快適にはなりません。性能がフルに発揮できるプランニングや素材選びがやはり絡み合ってくるからです。
 
 

物が少ない暮らしで叶う、予算と理想

この家の完成見学会を開催した際に、多くの来場者様からこんなお言葉をいただきました。

「本当に開放的で大きな吹抜けやリビング・ダイニング・こども空間ですね!!」と。

実はそれには、どれだけ物が少ない暮らしにできるかが鍵となります。

大阪の住宅密集地では土地代のウエイトが大きい分、30坪を超える建物はなかなか建てることができません。

潤沢な資金があるか、性能や仕上げをグレードダウンさせてでも広さを取らなければ、大きな土地・大きな建物という選択肢にはなかなかならないのです。

この家はおばあ様世帯を除けば建坪13坪の家です。とても小さく、しかし広く住むには、予算を上げて設計作法をこだわるか、物を減らして空間を広げるかが有効だと言えます。

そこで今回は物を減らして、空間を広く感じさせる、個室ばかりの考えを見直して廊下も減らす。

小さな家を建てる上での発想をここでも活かしていくのです。

この家の住まい手にとって、きっと「持つ」ということは「失う」ということ。「不足」が「充足」を生むことを理解しているのだと感じます。

過剰な収納いらない、開放感と落ち着きの両面を得る、家族がひとつになれて、子どもたちが走り回れる空間。

手放すことで得られるものがたくさんあるのだと思います。

結果、過剰なオプションは加えず、将来の暮らしを見据えた増額にし、共働き世帯にとっては無理のない価格となりました。

 


収納を動かし全開放すると子供室が広い大空間になる


回れる動線をつくるように配置すると使い勝手が向上する


子どもの成長に合わせ半個室することもできる


片側から2つの収納を使うこともできる。反対側は壁となる

【主だった追加の造作家具等】

・2階造作手洗い増設

・可動造作クローゼット(将来の子供室間仕切り)

・吹抜け活用物干しバー

・キッチン横造作カウンター

・洗濯機、ガス乾燥機専用棚

※上記写真一覧

 

「陽の木の家」は、健康第一、構造第一

「陽の木の家」は高知県梼原産の無垢材で建てる家づくりです。生涯、住み心地が落ちずに暮らし続けることができるよう、構造や目に見えない部分を徹底しています。
 
性能値に頼らない家づくりで、多くの方に選んできていただけました。
 
その中で近年、意匠・デザイン等のこだわりや、さらなる快適な性能にも目を向け始めていますが、
やはり工務店としての役割は、【意匠・性能・居心地・機能・価格】のバランス。意匠だけの作品化になってもいけませんし、性能・居心地だけの価格青天井になってもいけません。この5つのバランスが生涯「長持ち」するための建て方や計画の仕方を形にしているのが「陽の木の家」です。
 
詳細は「家づくり勉強会」でもお話しています。
実際の建物はモデルハウスにお越しください。
住みながらの暮らしが見れるリアルな建物になっています。
 
 

建物概要

設計・施工 設計・施工 :ソーラーコム
建物概要 構造:木造2階建て
工法:在来軸組工法
敷地面積 182.98㎡(55.35T)
建築面積 66.25㎡(20.04T)
1階工事床面積 66.25㎡(20.04T)
2階工事床面積 44.72㎡(13.53T)
延床面積 110.97㎡(33.57T)
外装 外壁材:そとん壁スチロゴテ仕上げ
ウッドデッキ・木柄(イペ材)
※準防火地域仕様
内装 主要構造材:梼原杉・桧
床材:梼原杉(特一等)
内装:エッグパルプ
サッシ:全開放引き込み窓(LW)・アルミ樹脂複合
浴室:フルユニットバス
完成 2021年7月
システム 太陽熱床暖房・給湯・全館冷暖房・発電・熱交換換気システム「OMX」(OMソーラー)