豊中市 桜を望む平屋

季節のうつろいを、丁寧に受け止める住まい

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豊中市 桜を望む平屋

リビングの角に2つの大開口。やわらかい光が入ります

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美しい緑を切り取る大開口。幅の広い窓台は、ベンチや収納にもなる多機能な場所

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木製ガラリ戸を閉めたところ。光や風をほどよく遮ります

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内からの眺めは通し、外からの視線だけを遮る、繊細な寸法設計。

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障子を閉めたところ。ゆったりとした木格子で、和風に寄りすぎない設計です

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桜の季節に、お邪魔しました。

窓いっぱいの桜が、暮らしの一部になっていました

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リビングをロフトから見下ろす。家族の暮らしがみえる楽しいアングル

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廊下の先の、緑の窓

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寝室の小さなお庭。

足元のスリットは、全館空調の吹き出し口

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全館空調のダクトスペースをちょっとした収納に

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日の暮れた時間に、お邪魔しました。

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リビングからダイニングをみる。

梁の陰影が、昼にはなかった力強さをみせます

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外壁のブラケット照明。そとん壁のざらりとした質感が浮かびます

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豊中市 桜を望む平屋

今回の住まい手様は子育てを終えられ、親御さん・ご兄妹との3世帯のような暮らしをされるご家族です。

ここ数年でお母さん・お父さんどちらかとの同居や今回のようなご依頼がとても増えています。

世代は関係なく、人が住んでいて気持ちのいい木の家がどうあるべきなのか、どう計画していくべきなのか、完成写真を通してご覧いただこうと思います。

平屋+ロフトを希望される方や、子育て中の方にもぜひご覧いただきたいと思います。

 

平屋という選択

そんなご家族が選択したのが平屋の住まい。

元々馴染みのある豊中のエリアに桜並木がとても綺麗な土地を見つけられました。

角地とはいえ三角の変形地ということで、真四角ではない変形の平屋としました。

建物形状やプロポーションのデザインだけではなく、予算・法規的な制限・機能などと照らし合わせて決めていきました。

 

ブログなどでも、「限られた予算で質を上げるためにはまず建物を小さくすることを考えましょう」と言ってみたり、「物を整理しましょう」と言ったりしていますが、あくまでも価値観と十人十色の家づくりを大切にしているので、万人にとっての正解ではありません。

今回のような複数名での大人の暮らしとなると、「しっかりとしたプライベートとパブリックの両立」が求められるコンセプトとなりました。

 

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個室(プライベート)と広間(パブリック)の両立

まず広間は食卓と居間が大きなひと繋がりとなった最も心地よい空間です。

窓と天井については後の項目で述べますが、写真を見るだけで窓の外の景色を主としたほのぼの空間であることがイメージできます。

床はいつもの柔らかい杉ではなく、白太の統一感が美しい桧になっていて大人の空間という感じがします。

杉に比べ硬く少しヒンヤリしていますが、床下は全館暖房の空間なので決して底冷えすることはありません。

暖気がじんわりふきあがってくる窓辺のベンチに腰掛け、のんびり過ごす日常が目に浮かびます。

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そしてプライベートのための4つの個室です。

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北側居室。日中安定した灯りが取れ集中力が上がる。全館暖房によりとても温かい。

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西側居室。畳、板間、木の勾配天井。寝転ぶとても落ち着く空間になっている

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2階ロフト居室。吹抜けと繋がり、飽きの来ない勾配天井となっている。こちらも桜が望める。

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居間との続きの間になっている和室。2畳の広縁付き

1階に3部屋、吹抜けと繋がる2階ロフトに1部屋あります。

方角、景色、板間か畳間かなど、それぞれに個性があって、長い廊下をつくるのも悪くないと思える設計でした。(コンパクトな家の場合は個室や廊下を増やすと無駄なスペースが増えるのでほどほどに)

中でも広縁を用いた旅館の一室のような和室があります。一枚の大きな製作建具を通して居間と繋がることができ、2帖の広縁から桜を眺めたり、思い入れのある和箪笥(たんす)を置いたりできるのです。

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居間との続きにするのはここ最近の定番となってきた。

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居間、広縁の両方を閉じると落ち着きある和空間となった

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障子を開けると優しい灯りと視線の抜けができる

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天井を貼るとより和室空間となるのだが、予算・空気質を重視し現し空間とした

安心してプライベートが守られている場所があるからこその大広間が活きてきました。

天井

続いてソーラーコムのyoutubeでもアクセス数が多く、見学者様が最も体感したいこと、天井についてです。

この住まい手様がi-works3.0の完成見学会にお越しいただいたのをきっかけに、低い天井と高い天井のメリハリある空間を実現する方向に動いていきました。

キッチンは2150mm、居間は2600~4100mmの高さで、落ち着きと開放感を持ち合わせています。

天井の2100mmや2150mmが低いとは感じない。そのためにも窓・建具・吹抜けの設計と一体で考えることが大切

 

写真で伝わりにくければぜひソーラーコムの社屋・モデルハウスにお越しください。 i-works1.0、2.0などと同じ仕様にしています。

ソーラーコムのモデルハウスは2100mm、桧無節で天井を仕上げている

 

窓の役割は断熱・気密だけではなく、景色・音・香り・光・風、この窓を通して家の中を豊かにしてくれます。

西日が傾いてきたら伊礼ガラリで光を絞り、暑さ寒さが厳しいときには障子が部屋の断熱効果を上げつつ、柔らかな灯りを取り込む。

春と秋には全開放して一枚網戸だけでオープンに過ごすこともできます。

 

ひとつの窓でいくつものシーンが楽しめるのは、住んで分かる癒しなのです。

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伊礼ガラリは横格子に角度がついていて、道路面からの視線、日差しを絞る

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障子を閉めると落ち着きあるふんわりとした灯りが室内を照らす

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全開放すれば、風が心地良く桜や紅葉に癒される

今回は桧の無節を選んでいただきました。和風がお好みの方や、空間デザインをスッキリ見せたい方にはお勧めです。赤身と白太の差がない分美しく見えます。

【杉】:柔らかく、温かい。代わりに、傷がつきやすい(だんだんと飴色に変化するに伴い風合いと馴染みが出る)

【桧】:水に強く、白太でスッキリ見える。代わりに、硬く、杉より冷たい(材料が冷たくても高い建物性能と全館暖房で暖かく快適に暮らせる)

子育て世代の方・予算重視の方・足腰に不安のある方は杉がお勧め

なるべく傷をつけたくない方・デザイン重視の方・和風好みの方は桧がお勧めです。

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桧無節。赤身と白太の差がなく、スッキリとした空間づくりができる

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住んで2年半の社屋の桧。だんだんと色が付き飴色に変化する

 

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杉の無節。新築時は赤身と白太の差がある

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杉の節有。初めは節が気になる方も、徐々に飴色になるにつれ気にならなくなる

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15年以上経過した杉の節有。蜜蝋で手入れをすればするほど美しく年を重ねる

製作建具

製作と既製品のバランスはとても大切です。家はデザインだけでなく、機能や価格も大きな決定要素になるからです。

家の中で「ここは予算を投じても製作!」という箇所を決めておくことが大切です。

その中で今回は建具(室内扉)について触れていこうと思います。

居間の風景がスッキリ見えるひとつの方法として、木製建具を製作していることが挙げられます。

和室と繋がる建具を製作にし、垂れ壁を作らないことで見た目が軽やかになります。

製作建具は確かに予算がかかります。しかし一度使ってみると視線は抜け、空間が広く見え、低い天井とのメリハリも生まれるので魅了されます。

和室の建具を閉める。天井まである建具は空間をスッキリ見せる

 

建具ではありませんが、居間と階段を緩やかに仕切る格子も住まい手様の要望です。

開放しすぎず閉鎖しすぎず、格子は少し重たくも見えますが、空間を緩やかに仕切ってくれるものでもあります。

壁では圧迫感ができるため、格子で緩やかに仕切っている

外観

ソーラーコムの標準仕様でもあるそとん壁、軒裏・戸袋を板貼りして自然塗装をかけています。

中だけでなく外にも自然の物を使うと、ご近所さんや通行人もつい足を止めたくなるかわいい家になります。

左官技術と塗装技術、下地を用意する大工の腕が結集している外観となりました。

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木部と外壁の色味はとても人気がある

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そとん壁の粗目の骨材。断熱、調湿にも優れている。今回もスチロゴテ仕上げ

縦長の建物形状でも全館冷暖房を効かせる設計

建坪35坪で縦長の形状、さらには多くの個室、水回りには室内の温度差を解消するため全館空調が効果的です。

しかしシステムだける頼る設計では内部結露が起こったり、思ったように空調が効かない、温かいけど空気が悪い、ということになってしまうことがあります。

したがって全館空調をしっかりと効かせるには、確かな家の性能とダクティング計画、基礎の形状が重要になってきます。

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羊毛ウールの断熱材・壁の中が何十年も呼吸する材料であるかどうかが室内の快適性に繋がる

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冷気と暖気の性質は異なる。ダクティング計画でまんべんなく家じゅう心地よくしたい

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居間と同じく、温かい廊下・温かい水回りであることが重要

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寒い吹抜けにならないための空気の流れがデザインされているかも重要だ

おまけ

洗面と脱衣場を分けてストレス軽減
2世帯や成長されたお子さんとの同居では、プライベートが重視されていきます。

入浴時に洗面台を使えないということを避けるためにセパレートにすることもしばしば。小さくても分けてあげると支度もスムーズになります。

20年前の製作ペンダントライト

中霧島壁の白、床・天井の茶を基調とした中に差し色となっているペンダントライトがあります。

これは住まい手様の大切な手持ち家具で、有名家具屋さん「TRUCK」で製作されたものらしく、20年も時を共にしているそうです。

今は武骨なアイアンや皮の製品が目立ちますが、この照明なら木の家にもとてもよく合っています。

高い天井の吹抜けから吊り下げるためコードに手を加え重心をしっかり下げ取り付けました。通りで灯りが上品なわけです。

桜満開の景色は来春のお楽しみ

住まい手様は窓から見える景色をとても楽しみにされています。

春には満開の桜の写真に差し替えてみようと思います。

四季を感じたいから家の中を寒くするのではなく、暖かく涼しい家の中で四季を感じられる窓をつくること。

これが健康に長生きできる最も重要なことだと言えます。

今家づくりを考えておられる方も、身体の中に入れる空気(食べ物の20倍の重さ)が新鮮であること、これを意識して家づくりをスタートしてみてください。

 

ここまでお読みいただきありがとうございます。

 

建物概要

設計・施工 設計・施工 :ソーラーコム
建物概要 構造:木造2階建て
工法:在来軸組工法
敷地面積 200.62㎡(60.69坪)
建築面積 118.42㎡(35.82坪)
延床面積 173.35㎡(52.44坪)
外装 外壁材:そとん壁
内装 主要構造材:梼原杉
床材:東農桧(上小材)
内装:中霧島壁
サッシ:アルミ樹脂複合、LW
浴室:フルユニットバス
全館冷暖房「パッシブエアコン」(OMソーラー)
完成 2021年12月