【池田】陽の木の家 平屋のように住む

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【池田】陽の木の家 平屋のように住む

見どころ

大阪、池田市に平屋のように暮らせる「陽の木の家」が完成しました。

1階での夫婦の暮らしは完結し、2階は家事が助かるサンルームと、子ども世帯の帰省時のスペースがつくられています。

居心地は室内全てが空気清浄されている全館空調と無垢材によって、健康寿命にいい影響が出る空間に仕上がりました。

 

1階で暮らしが完結する間取り

大阪の都市部・住宅密集地で土地探しをする方も、はじめは多くの方が「平屋での暮らし」に憧れます。

この池田市に完成した「陽の木の家」も1階で全ての暮らしが適い、2階は子どもが家族を連れて帰ってきれくれるときの居室として計画されています。

それでいて普段は平屋としての暮らし方ができる家になっています。

このように、子どもが独立したあと、夫婦ふたりの「ついのすみか」としての建替え相談がここ最近特に増えてきています。

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i-worksの設計作法の採用

施主様は住まいが完成するまで、見学会に何度も足を運んでくださいました。

特に「i-works」の建築家 伊礼智さんの設計作法を多く参考にされておられ、最後の最後まで、「ここは既製品ではなく作り付けの造作で無駄を無くした方がいいな」と図面と実物を照らし合わせていた姿が印象的です。

結果、南側に開いた大きな窓が一番生きるように、壁、天井、吹抜け、外部空間が窓まわりの心地よさに集約されるように設計されました。

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大きな窓から望む緑と青空

内と外の境目がなく緩やかに繋がる空間は、とても豊かになります。

窓を開放して、軒は深く、縁側のようにくつろげる空間。

木製のベンチをつくり、のんびり、何もしない贅沢を家で味わえることが一番の幸せかもしれません。

 

窓は、空が高く、遠くを望める場所に。

 

お馴染みの通風ガラリで視線と灯りを絞り、風を通す。

裏山は決して手入れされた緑ではないものの、このガラリを通すと心を落ち着けてくれます。

障子を閉じればふんわり灯りを取り入れ、断熱効果は上がり、不快な空気を室内に取り込むこともありません。

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木をどこまで見せるか

1階は意匠性が向上する大壁(重心を下げるために柱・梁・天井を覆います)、

2階は空気・五感が癒される真壁(五感が心地よく感じる無垢の木を現しにします)

部屋ごとに分けてもいいですし、統一してもいい、自由に決められるのが「陽の木の家」の魅力です。

木は視覚的に白壁に比べ重たく見えるので、使いどころを絞るとこちらの1階のようにスッキリと見せることができます。

逆に木を現しにすることで生きた木は呼吸し、湿度を調節する重要な役割を担います。

木目の揺らぎや香り、質感も人の五感に作用します。

土佐の地で大切に育てられた無垢材を眺めながら暮らしたいという方もたくさんおられます。

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理想と予算のバランス

空間を軽やかにするため、床材は桧の上小材(ほぼ節無し)が使われています。

杉のように赤身と白太の差がなく、統一感とスッキリした大壁の仕様にとても合っています。

代わりに、壁の素材を標準のエコクロスのままにして、予算のバランスを考えました。

本来は、無垢の構造を覆う場合は、壁が自然素材で呼吸するように珪藻土や漆喰を使う方がいいのですが、それには相応の予算がかかります。大きな吹抜けがある場合には室内で足場を組んだりすることも必要なのです。

このように、自然素材と工業製品のバランス、造作と既成のバランス、このあたりを臨機応変に相談できるのも「陽の木の家」の魅力です。

ただし、大切なのは素材に予算をかけたとか、品がいいとか、そのようなことに心地よさが大きく左右されるのではなく、

空間としてのプロポーションがいいかどうかが重要なポイントであるとも言われます。

どっしり構えられた空間にはどんな素材を使っても心地良さが宿るということなのだと思います。

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主婦の心が豊かになる奥様コーナー

先達の建築家、吉村順三さんはこう言います。

「主婦が幸福でなければ、いい家庭にならないし、家も良くはならないですね。」

今回は、キッチンの横に奥様コーナーとして、建物の角にデスクカウンターと収納を備え付けました。

奥行きを出すため、窓とデスクの高さも揃えられています。

書きもの、料理中のちょっとした休憩、読書と奥様だけではなく、色んな使い方が想像でき料理をする奥様とご主人の距離が近くなるのもいいと思います。

キッチンと併せて5帖の大きなスペースになっているのですが、広さに限りがある家の場合には、1帖分のこもれるパントリーとして、作り込むこともあります。

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ご主人は趣味の音楽鑑賞のために、CDやレコード用の造作棚を備え付け、吹抜けのリビングに居場所を設けています。


居場所を作ることで、家族がひとつの大空間に居ながらもプライベートがある暮らしを送ることができる

 

サンルームと物見台

雨風、花粉、黄砂のないときは、1階の縁側で物干しができるようになっていますが、主な物干し場は3帖のサンルーム。写真の廊下を抜けると物見台と繋がります。

木の家での室内干しは、無垢の木を見せるか、全館空調の風を送るか、壁を塗り壁にするか、いずれかで空気を新鮮にしておくことで嫌な臭い無く乾燥させることができます。

 

物見台の床はメンテナンスが不要の無垢板を使います。

下屋で雨を受けることで、FRP防水(マンションや一般的な灰色のバルコニー)ではない物見台が完成します。

 

こんな場所があったら個人的には、天体望遠鏡と寝袋とホットミルクを持ち出して夜の楽しみの場所にしたい気分になります。

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伊礼さんの設計作法と「陽の木の家」のバランスをご覧になりたい方は、モデルハウス見学へ

 

建物概要

設計・施工 株式会社ソーラーコム
建物概要 構造:木造2階建て
工法:在来軸組工法
敷地面積 129.19㎡(39.08T)
建築面積 60.89㎡(18.41T)
1階工事床面積 60.83㎡(18.79T)
2階工事床面積 31.85㎡(10.02T)
延床面積 92.68㎡(28.81T)
外装 外壁:そとん壁
屋根:ガルバリウム鋼板
内装 床:梼原桧(上小節無垢板)
壁:エコクロス
天井:真壁現し
完成 2021年3月
システム 全館空調OMパッシブエアコン
全館空気清浄ユニット
全熱交換システム