【i-works1.0住まい手宅見学レポート】第2回:住んで分かった伊礼智さんの設計の奥深さ
先日お客様を連れて、住んで1年のi-worksを見学してきました。
住まい手の声、見学者の声、たくさんの貴重な意見がでましたので複数回に分けてレポートしています。
今回は第2回「住んで分かった伊礼智さんの設計の奥深さ」です。
見学中、ご主人が何度も口にしていた言葉があります。
「伊礼さんの設計はほんとによく計算されていますね。住んでみてその凄さがよくわかります。」
多々ある中で、特にそう感じられたのが「窓の設計」だそうです。例えば、このキッチンから眺める植栽(緑)は落葉樹のアオダモ。
アオダモを眺めるキッチン。春・夏は近隣の目隠しにもなる |
食事をしながらもリビングからも視界に入る緑。とても青々としている |
このおかげで壁付けキッチンでの孤独感を感じることもなく、豊かな気持ちで料理することができます。
またすぐそばにはラウンド型のダイニングテーブル。葉のゆらぎと明るい緑がどの位置からも見えると心が本当に落ち着きます。
そしてその真上には、i-works随一の癒しの空間、2階和室。さりげなく設けた地窓から、そのアオダモが顔を出しています。
通風が採れることはもちろん、1階キッチンと共有する緑は外から見ても家のシンボルになっています。
この和室の地窓からのぞくアオダモに、来客も感動する |
アオダモ・そとん壁・木庇の3色のコントラストは奥様もお気に入り |
玄関からリビングに入ると対角に抜かれたフィックス窓で、建物の大きさを把握できる安心感と視線の抜けがあります。
秋冬の夕暮れどき、この窓から差し込んでくる光のラインがとても綺麗なのだそう |
トイレと洗面を挟む小さな廊下は通風と灯りを意識した地窓。隣地の壁が見えていても緑を植えるなどして楽しみたい場所です。
窓まわりに垂れ壁・袖壁と呼ばれる小さな壁を作らず、ピタッと収めることが開放感の秘訣 |
和室の窓は大きな引違い窓を使いますが、枠の見付け(正面から見た幅の寸法)が細く上品に見えるリクシル製が選ばれています。
低いひじ掛け窓・造作花台・深く出た大屋根で小さく囲まれる空間となっている |
写真ではとても小さく見えるかもしれない。実際は安心感で満たされる和室に |
ご主人の特等席は、朝日が気持ちいい東に開いた窓。全開放窓LWを使った外を採り入れる窓です。
何もしない贅沢を日々味わっておられるようでした。
階段下にテレビをおかないのも、「リビングはテレビを見る場所」ではなく、「くつろぎ、会話をする場所」であるからでしょう。
この写真の日は実は雨。窓の設計で影が強調され、まったく暗く感じない |
階段下には伊礼さんにも興味を持っていただいたルンバの家が |
きっと設計者にも施工者にもわからない心地よさを感じて、毎日を暮らされているのだと思います。
私たちが感じる心地よさ以外にも、住まい手様が言語化できない心地よさがあるのでしょう。
次回、「第3回:縁側に人や豊かさが集まる」もお楽しみに。
伊礼さんのお話で分かる設計作法とi-worksを建てる上での大切な話