【豊中の設計事例】天井高2100mmの暮らし心地と開放感を出す工夫とは?
目次
「天井が低いと圧迫感があるのでは?」「2100mm(2.1m)の天井でも快適に暮らせるの?」
そんな疑問をお持ちの方に向けて、この記事では豊中市の事例をもとに、天井高2100mmでも快適に過ごせる住まいの設計工夫や注意点をご紹介します。
特に、都市部で家づくりを考える方、限られた空間を有効活用したい方には必見の内容です。
1.「天井高2100mm」の家が注目される理由とは?
日本の一般的な住宅では、天井高は2400mm〜2500mm(2.4〜2.5m)が標準です。
それに対して、あえて2100mmの天井高を採用する設計が増えているのには理由があります。
なぜ天井をあえて低くするのか?
- コンパクトな家でも広さを感じるようになる
- 空調効率が上がり、省エネ効果が高まる
- 落ち着きのある“こもり感”が得られる
- 平屋や狭小住宅の空間活用に最適
- 建築コストの抑制にもつながる
【注意】建築基準法では、「居室の天井高は2100mm以上」と定められています。これを下回ると、原則として居室としては認められません(ロフトや収納などの例外を除く)。
2.【事例紹介】豊中市で建てられた“天井2100mm”の平屋住宅
■ 住宅概要
所在地:大阪府豊中市(第一種低層住居専用地域)
構造:木造平屋(延床:約35坪)
天井高:LDK 2100mm(一部吹き抜け・ロフトあり)
家族構成:50代ご夫婦+お父様
この住宅に限らずソーラーコムでは、敷地が限られる都市部でも広さにゆとりある郊外においても建物プロポーション、周辺環境、室内の住み心地を考え、天井高をあえて低く設定。
そのぶん素材や光の取り入れ方、窓の配置に工夫を凝らし、「低さをデメリットにしない家づくり」を実現しています。
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こうした設計事例は一棟一棟、敷地やライフスタイルに合わせて工夫されており、「すべての人が同じ快適さを感じるとは限らない」点には留意が必要です。
3. 天井が低いと感じるのはどんなとき?|圧迫感の要因
天井が2100mmというと、「狭く感じそう」と不安になる方も少なくありません。
確かに、天井が低いと感じやすい場面にはいくつかの共通点があります。
圧迫感を感じやすいケース
- 身長180cm以上の人が立つと、頭上の余白が少なくなる
- 窓を小さくしてしまうと、部屋が暗く、視線が抜けない
- 天井に照明や梁が飛び出していて圧迫感を強調している
- 家具の背が高くて、空間を分断している
【補足】特にご家族に180cmを超える方が多い場合、日常の使い勝手や開放感に対して注意が必要です。また仕上げや構造、窓の配置、家具の高さなど、天井が低くてもそれが快適と思えるような設計作法を活かしている工務店でなければ、やみくもに天井を低くすることは失敗に繋がりかねません。
4. 快適に暮らすための6つの設計テクニック
① 窓を大きく取る
外の光を取り入れつつ視線を屋外へ誘導します。
その大きな窓を介してデッキや軒と繋がり、植栽の緑や遠くの空を眺めるようにすると、室内の「抜け感」=横の吹き抜けができるので、天井が低くても圧迫感をまったく感じないようになります。

ソーラーコムのi-works1.0の大きな窓「LW」
② 壁と天井の仕上げの素材をなるべく変えない
壁と天井の素材は白で明るく統一することで、境界線がぼやけて広がりを感じさせる視覚効果が得られます。
自然素材100%なら珪藻土や中霧島壁や漆喰を使ってもよいでしょう。
ソーラーコムでは床は杉や桧の無垢材を使用します。床の茶色は白い壁や天井に比べて重たく見えるので、視線の重心も下がり低い天井が低く感じられない効果が得られます。
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同じくi-works1.0壁と天井に仕上げに対して、床の杉板貼りで重心が下がっている。
③ 天井に照明を付けない
天井に照明を取り付けてしまうと、灯りの重心が上がってしまうことと器具自体に視線が向くため、天井の低さが強調されてしまいます。
照明は壁付けのブラケットやスポットライト、自立のスタンドライトを使うのがおすすめですが、どうしても天井に必要な際はでっぱりの少ないダウンライトを採用すると重心を抑えることができます。
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伊礼智氏設計、豊中の平屋のリビング。天井に一切の照明がなく、心地よい空間に。
④ 家具の高さも低めにして生活目線を低く
ダイニングテーブル、椅子、テレビボード、ソファなど、大きな家具の高さを少し低めにしてあげると、低く抑えられた天井がさらに快適になります。
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同じく伊礼さん設計の豊中の家。はんぺんチェアやカイアールの机、造作ソファ。
⑤ 庭やウッドデッキと一体感を持たせる
床面とつながるようなデッキや中庭を設けると、屋外への視線が抜け、物理的な広さ以上に開放感を得られます。
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ソーラーコムのi-works1.0。小さな空間でも外と繋がると広がりを感じられる。
⑥ 大きな吹き抜けをつくり、低さと高さのメリハリをつける
家全体を低くするのではなく、吹き抜けやロフトなど部分的に高さを変えることで、メリハリのある空間に。
視線が縦に抜けて、広く感じられる設計手法です。
さらに心地よい吹き抜けをつくるポイントは、低い天井を貼ってくるダイニングやキッチンと同じだけの面積の吹き抜けにすることです。
吹抜けが大きすぎると間延びした印象、小さすぎると圧迫感にもなりかねません。
i-works1.0のように2間角(3,636mm×3,636mm)ずつのバランスが望ましいでしょう。
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同じくソーラーコムのi-works1.0。低い部分は安心感があり、高い部分は開放感がある。
5. 天井高2100mmのメリットと注意点
◎ メリット
- 冷暖房効率が良く、省エネ
- 落ち着いた空間、“こもり感”が心地よい
- 子どもが安心して過ごせる高さ
- 建物全体の高さが抑えられるため、外観に重厚感が出やすい
- 窓も併せて設計すると横の吹き抜けが出来て空間が広く感じる
△ 注意点(個人差あり)
- 身長が高い方には「低すぎる」と感じることがある
- ただ天井を下げるだけでなく、前述の複合的な要素も一緒に考えていく
- 吹抜けを取らず低い空間だけだと圧迫感に繋がる場合も
【重要】2100mmは建築基準法上の最低天井高です。これ以下にする場合(ロフトや収納を除く)は法的に「居室」として認められません。
6. 豊中でこの暮らしを実現するには?工務店選びのポイント
天井高2100mmでも快適に暮らすためには、細かな設計配慮と現場力が求められます。
工務店・設計事務所選びのチェックポイント
- 低天井・狭小住宅の実績がある
- 色・光・視線設計に強い建築士が在籍している
- 吹き抜けやロフトの活用が得意
- 現地見学が可能(実際に天井の高さを体感できる)
ソーラーコムでは、豊中での天井高2100mmの住まいの実績が豊富です。
また伊礼設計作法を丁寧に自社設計に採り入れてきましたので、「2100mmはちょっと低すぎて心配」という方にもう5cmだけ高くする2150mmを積極的に設計するなどして、皆様に選ばれています。
7. まとめ:高さだけにとらわれない家づくりを
天井が2100mmというと、やや低い印象を受けるかもしれませんが、工夫次第でその“低さ”は快適さに変わります。
むしろ、高さに頼らず「質」で心地よさをつくる住宅設計がこれからの家づくりの主流になるかもしれません。
最後に伝えたいこと
- 天井高2100mmは、設計次第で十分に快適な空間に
- ただし、身長やライフスタイルによって感じ方は異なる
- 視線・色・光・空気の“流れ”を丁寧に設計することが鍵
家づくりに正解はありませんが、「高さ=快適さ」とは限らない、“あなたに合ったスケール”を見つけることが、暮らしを豊かにする第一歩になるでしょう。