適正な収納量の出し方
プランを確定していく上で「収納量」は重要なポイントです。
ここでは数多くの収納本に書かれているテクニックではなく、間取りや建築的な視点からお話したいと思います。
大阪・奈良・京都エリアの30~40代子育て真っ盛り世代の皆様にとって、ゆとりのある敷地と建物を確保するのは難しいのが現状です。
2階建て30坪の中にどれだけの収納が取れるのかを、デザインと使い勝手の視点から模索することになります。
理想の収納量は?
まず、適切な収納量の目安として床面積の10~15%を収納に充てるといいと思います。
10%前後だと普段お片付けや収納が苦手な方にとっては少ないと感じられる量です。(でも本当はそれくらいがちょうどいい)
例えば豊中のi-works1.0モデルハウスは?
伊礼さんの名作i-works1.0を例に見てみると図のようになります。モデルハウスをご覧いただいた方はお気づきかもしれませんが、あえて家具も少なくがらんどうにしているため少し収納が足りないと感じられたのは正しいと思います。そこで、2階にはパンフレット通りの押し入れをつくり、1階にしっかり家具を入れてあげると1階2階とも10~15%の収納量に収まってきます。ローテーブル、キャビネット、テレビ台も立派な収納になりますからね。ただし10~15%は平面的に見た目安です。場所によっては背の高い収納もあれば、低い収納もあります。もっとも、家具や照明で重心を下げてどっしりとした空間づくりをする伊礼さんですので、背の高いタンスや置き収納を設置する想定ではありません。(もちろん住んだ後は自由ですが。)収納が少ないと感じるからといってi-worksに置き家具をどんどん入れてしまうとその良さは半減してしまうので、この目安の中で物量を考えていくと良いでしょう。
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「あればある程困らない」は経済的に余裕があれば・・・
備蓄や消耗品をストックされる方に多い「収納はあるに越したことはない」の考えは間違いではないと思います。
きっとまとめ買いや大安売りを狙って切らさないように確保される家計思いからきたお考えのはずです。
経済的にゆとりがあれば、つまり土地と建物にゆとりがあれば自由でいいと思います。
しかし冒頭述べたようにほとんどの住まい手さんにとってそれは限られています。
「安売りで得られる金銭的ゆとり」は、「ストックするための土地・建物代」に比べればほんのわずかなものです。
備蓄品のために多くの収納を欲するよりも、他の暮らしの質を上げる家具や緑に回した方が適切なのかもしれません。
トイレットペーパーが切れていたらスーパーやドラッグストアに買いに走るストレスもあるかもしれませんが、建坪を減らして得られる何十万円を考えれば「必要なものを必要な数だけ持つ」ことも悪くないのではないでしょうか?
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取り出しにくい服、バスタオル、下着、おむつ…
備蓄品をストックしている場合、引き出しと棚がパンパンになっているケースが多いと思います。
きっちりテトリスできているように見えて、実はスペースの8割程度に抑えておく方が取り出しやすさ見つけやすさの観点から効率がいいと言われています。
30本のハンガーが幅90cmのハイプにかかっていれば、24本に減らすととてもスムーズに出し入れができます。
赤ちゃんや小さい子と戦うお母さんにとって、開封したてのおむつの1枚目と2枚目がいかに取り出しにくいか!
お分かりいただけると思います。
収納はまだまだたくさんの議題がありそうなので
また更新していきたいと思います。
本日のまとめ(今日は何故かまとめたくなりました)
- 収納量は床面積の10~15%から考えてみる
- ストック品マスターになるより、最小限を切らさない考え方で経済効果UP!
- 収納はその箇所(ハコ)の8割程度の量で押さえる