問い合わせが増えています【i-worksの価格帯】
※2019年4月 追記・修正
※2021年4月 追記・修正
※2025年7月 追記・更新
i-worksの価格帯に関する本ブログは、2019年、ソーラーコムがi-worksを全国で一番施工させていただいたときのものです。
2025年現在、物価高騰により、当時と同じような価格帯での建築が難しくなってまいりましたが、ソーラーコムのi-worksコンセプトは当時と同じように、オリジナルに忠実であることを基本に、時にはご要望に合わせてi-worksの設計作法を損なわないよう、様々なアレンジを行うことで価格のバランスを保つ考えも持ち合わせています。
それでも土地代の高い大阪という地域性を鑑みると、やはりソーラーコムの得意技である、土地価格と建物価格のバランスを、初めの計画段階から見直していくことでi-worksの建築を可能にする進め方に戻ってくるのではと思います。
その過程でたとえi-worksでの選択でなくなったとしても、i-worksの何が心地よく感じておられるのかを、ひとりひとりのお施主様とトコトン対話をして、設計作法の要素を木の家に取り入れるということも、ひとつの考え方です。
皆様がi-worksの心地よさを暮らしの中で随所に感じていただけるよう、これからも努力を重ねてまいります。これらを参考に、本ブログをお読みいただくと何かヒントが見つかるかもしれません。
◆(以下、2019年当時のブログ、一部更新)
「i-works」の建坪16坪は4間角(7,272×7,272mm)の4~5人家族が住まえる名作で、存知の方もおられるかと思いますが、建築家 伊礼智氏システム設計、監修のプレタポルテの木の家です。
プレタポルテは高級な既製服という意味ですから、グレード的にはハイグレードになっています。しかし価格以上に値打ちのある標準化の高級提案住宅と言えます。
これをより大阪などの地域性を鑑みてリーズナブルに建てるために、ソーラーコムが「i-works」と呼べる範囲でのカスタマイズに成功したのが当時完成した豊中モデルになります。
実際に建物をご覧いただくと、「敷地条件さえ合えばそのまま建てて欲しい」という方が多くいらっしゃったのです。
伊礼さんの「i-works」の価格帯は地域の会員工務店各社によって違います。標準仕様で決まっている素材はあるものの、ある程度希望に合わせて変化をつけることもできます。その選ぶ素材、オプション家具や収納、外構によって、価格に幅が出るということになります。
2018年6月から2019年4月までに限定公開していた「i-works1.0豊中モデルハウス」でもご来場の皆さまから、価格と素材についてのご質問を多くいただきました。
その時にお答えした一部の内容を公開していきます。
価格帯に幅が出る部位
外物置の有無
玄関と繋がる1畳半の外物置。敷地の余ったスペースに組立式の物置などは設置せずに、景観、機能ともに配慮した、建物一体型の物置を計画します。
一階部分は玄関と繋がる物置、二階部分は居室と繋がる物干しや月見台スペースに。
価格は仕上げにもよりますが50万円程で作り込むことができます。
建物一体型は、機能と意匠が両立する |
窓だけでなく、ここも美しい開口部となる |
2階の居室とつながる憩いの場。そとん壁での仕上げ |
こちらは板貼りのつくばモデル |
キッチン、造作か既製品か
キッチンは皆さん価格に幅が出るところです。実は、「造作だから高い」「既製品だから安い」という判断はできません。なぜなら造作も引き出しを少なくシンプルに仕上げれば安価に、既製品もメーカーこだわりの機能を追加すれば高価になるからです。
造作には木の家としての統一感があり、既製品には引き出しの中や掃除のしやすさといった機能面でのメリットがあります。
価格は、ソーラーコム標準からの増額なら50万円~造作に変更が可能です。
造作を安価に収めるには引き出しの数を抑えて作り込むことがコツです。本当に最新の食洗器が必要かどうかも併せて考えてみてください。
キッチンにこだわりのある方は、サイズや機能オプションを増やして100万円以上の割増になるケースもあります。
まとめると、「何が一番大切か」と「その理由」を明確していくことが安価でいい物を手に入れるコツと言えます。
素地で仕上げると木の柔らかさが残り、塗装費用も削減できる |
塗装で仕上げれば壁と一体になり視覚効果で広さも生まれる |
床の材質と節の有無
床の仕上げは、主に、杉、桧、アカマツなどの選択肢があります。
節の有無もここで選択します。選択していく際の参考ですが、i-works1.0、2.0、3.0は大壁と言って、梁・柱・天井を見せない仕様で空間が軽やかにできています。そのため床には節がない方が、統一感を出すことができます。
ソーラーコムの標準仕様は杉の特一等材(節有)。
そこからグレードを上げていくかどうかはお好みで可能です。
杉は飴色に変化していくので節もいずれは馴染んでくる |
杉の節無しは空間が軽やかになるのでi-worksとの相性がいい |
桧は節無しを推奨。赤身がほとんどなく、白太の統一感が美しい |
赤松特有の木目は重厚感がある。幅広であることも空間を豊かにする秘訣 |
材質と広さによりますが、ソーラーコムの標準仕様から40~80万円からの増額で節のない空間をつくることが可能です。ソーラーコムのi-worksの場合、LDKの空間約40㎡分は約30万円の割増で上小節(ほぼ節なし)に変える方が多くおられます。
まとめると、2階の子供室と寝室は特一等材で予算を抑え、1階のスペースは上小節に替えてみるなど、理想と現実のバランスを取りながら計画されてはいかがでしょうか。
内装(壁)の仕上げ
i-worksの標準はビーナスコート(天然の塗壁)。ここからカスタマイズを加えていくことができます。
まずは塗り壁で比較すると、白洲漆喰、中霧島壁、湯布珪藻土など、種類を変えても価格にそう大差はでません。風合いと機能なら塗り壁を実現させたいところですが、ソーラーコムの仕様で多いのは、ビーナスコートの塗り素材をクロスに乗せたエッグクロス。
例えば1階のLDK、廊下、玄関を含めると180㎡程になるので40万円程の増額で空間の質を上げることができます。エコクロスや和紙なら増額はありませんが、ここは変化をつけたいところです。
i-works1.0豊中モデルで使用したビーナスコート。消臭力が半端ではない |
調湿は多くは望めないが、空間の風合いは保持できる |
豊中の家の白洲漆喰。反射と肌感がとても美しく気持ちがいい |
反射はなく落ち着いた基本色。調湿・消臭ともに抜群に優れている |
外壁の素材 塗り壁とガルバリウム鋼板
「i-works1.0」は火山灰のシラスを原料としたそとん壁を標準としています。建物のフォルムは、左官壁をしっかりと守るように軒を深く出します。
「i-works2.0」の場合は、伊礼さんが開発に携わったカルバリウム鋼板ZiG(ジグ)が使われるため、軒の出を無くすことができ、屋根部分を安価に収めることができます。しかし、左官壁を得意としている工務店もあるので安易に価格の優劣をつけることができません。フォルム、質感、間取りの違いなどを工務店と複合的に判断していくことをお勧めしています。
2021年現在、i-worksに限らずソーラーコムはそとん壁を標準仕様としていますので、外壁に関する増額はありません。
粗目に仕上げて表情をつくり、調湿、断熱、防炎と機能も十分 |
マットな焼き付け仕上げ、三角の山折りがシャープにラインを通す |
以上が、ほんの一部ではありますが「i-works」の価格帯に幅の出る仕上げ材についての記事でした。
土地代に大きな差が出るので建物の作り込みは地域によって差が出ます。大阪・奈良・京都・兵庫の住宅密集地では皆さんソーラーコムが公開する3,200万円からをベースに、資金計画を繰り返し、i-worksの魅力を形にしていきます。最終的には3,500万円を超える方、ソーラーコム標準通りの方、様々おられます。そのバランスの経験を積み上げているソーラーコムだからこそできる減額案もあれば、絶対に外してはいけないというポイントもあります。
その中でソーラーコムの「i-works」の住まい手様は、どなたも標準とこだわりのバランスを取ってこられました。
そういったことが詳しく学べる実際の「i-works」の建て方に特化した勉強会を開設しましたので、こちらから詳細をご覧ください。