「陽の木の家」夜の照明 明るい?暗い?

公開日:2022/12/12(月) 更新日:2025/07/07(月) 豆知識

照明打合せ中のお施主様とOB様宅を拝見してきました。

今回は日も暮れた夕刻。

「陽の木の家」の住まい手様の照明はどんな明るさで、数量はどのくらいなのか、皆様が関心を持たれるポイントでもあります。

見学会ではよくこんな質問を受けます。

「照明は明るすぎない方がいいと聞くけど本当?」

「予算的にも減らした方がいい気もするけど、暗かったらどうしよう。」

「実際のお住まいを夜見たいけど、そんな機会は中々ないし感覚も違うからわからない。」

必要のない照明を余分に増やしてしまうことも、憧れで減らしすぎてしまうこともないようにしたいのが理想です。

しかし暮らし方に正解はありませんので、皆様なりのプランニングのヒントを見つけていただく機会として、ソーラーコムの「少ない照明で最大限の居心地の良さを引き出す方法」としても見て頂けるとよいかと思います。

今回ご覧いただく写真はあえて明度などを落として撮影してわかりやすくしている部分があります。楽しんでいただけたら幸いです。

照明の数量をわかりやすくするために暗めに撮影。実際の食卓には自然の明るさがある

 

住まい手様宅の落ち着きある照明

伺ったのはこれまで何度かお宅拝見している豊中市の桜の綺麗な平屋のお宅です。

なぜ落ち着きがあるかというと、少ない照明と暖色を中心とし、また、灯りの重心も下げたことが挙げられます。

 

夜は上質な睡眠のための準備をする時間。

目的にもよりますが、煌煌とした中で夜を過ごすことは入眠の妨げにもなってしまいます。

必要な場所に必要な灯りを最小限に入れることで、この家のような落ち着きある空間となります。

消灯時の様子。右上吹き抜けの壁に2灯、テレビ横に置き型1灯、左の戸袋付近に1灯、これでリビングは十分な明るさになる

 

広く見せる・感じるための方法

誰しもはじめは広い家を希望されます。

しかし計画を進めるうちに土地・建物の予算がオーバーし、予算削減を内外の仕上げでなんとかしようと考えていきます。

しかし仕上げで削減できるのは実はそこまで大きな額ではなく、本来必要のない広さや多すぎる収納を見直すことが求められます。

質は落とさず小さな家にして、そこでどう広く暮らすかにシフトすると色々なことが上手くいくようになります。

今回は照明のお話なので、そんなコンパクトにした住まいを照明で広く見せられないかを考えてみましょう。

ポイントは3つです。

・灯りを絞る(影をつくる)

・灯りはぼんやり(玉のようなブラケットで)

・床を照らす灯り(重心を下げる)

 

灯りを絞る(影をつくる)

思い切って照明の個数、大きさを減らしてみてください。

スポットで必要な場所だけに設置するイメージです。そうすることで、より多くの影ができます。

この影を上手に使うことで、奥行きや繋がりが曖昧になり、空間が広く感じるようになります。

どこもかしこも明るい天井のシーリング照明ではメリハリはなく、室内の奥行きが簡単に知れてしまい、空間が小さく感じてしまいます。

影も灯りのひとつと捉える。

雰囲気づくりで暗くするのと同じです。結果として夜はなんだかすぐに眠たくなる。早起き習慣もここから作ることができるのです。

わざと暗く撮影してみると照明の数量の少なさがわかる。但し実際には全灯するとしっかりとした明るさがあるのでご安心を

 

灯りはぼんやり(玉のようなブラケットで)

居間、吹き抜け、居室、廊下も、メインはリーズナブルでかわいいブラケット照明を使います。

光と影の境目が曖昧で、施設照明のようなラインやカットが入らないのがポイントです。

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丸くかわいく、何より安価。こだわりのあるところには別のものを選んでも良い

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1灯で障子の先の広縁も十分な明るさ。ぼんやり照らしてくれるのも見ていて落ち着きがある

遠目からみて、ポツ。ポツ。ポツ。と灯りのある空間に居心地の良さを感じます。

 

床を照らす(重心を下げる)

つい天井を照らしてしまいがちな照明。

実は天井ではなく、床やテーブルを照らすと締まりのある空間になります。

i-worksでも伊礼さんがおっしゃるところの「灯りの重心を低く」です。

灯り自体の重心も下げますし、そのために例えばどっしりとしたボリュームある食卓の照明もぐっと高さを落としてきます。

天井に器具がついていないだけではなく灯りも少ない。床を照らして低く生活をしてみるとその落ち着きの虜になるでしょう。

どうしても足りない場合は、スタンド照明、フロアランプ、ブラケットを使ってみてください。何も高価なものを選ぶ必要はありません。

照らした床が活きるように、床置きの物を減らす計画もしてみましょう。

箱類の床置きを減らす、鞄やおもちゃなど床に散らかるものは定位置を作りましょう。

活きる照明は他の計画とも繋がってくるのです。

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居室やちょっとした明るさが欲しい場合にはデスクライトやスタンドライトで補填して、床やテーブルといったように下へ下へ明るくしてあげる

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左京区のi-works1.0の食卓。暖色で灯りが近いと実はお料理を美味しく見せることもできる

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食卓のペンダントは器具自体が大きいので、高さを抑えることで空間に締まりが生まれる

 

明るい方がいい?暗い方がいい?

明暗の計画におすすめはあれど、結局は暮らし方(目的)と好みによると言えます。

本住まい手様宅のように、落ち着いた雰囲気づくりや自然な睡眠を促していく場合は、数を減らして暖色中心になりますし、帰宅後にテレビや読み書き、仕事をするなどの場合は、広範囲でかつ明るめの昼白色を織り交ぜた計画をしていくことになります。

部分的に手元を明るくしたいキッチン、作業が必要な個所にスポットで充てていくと、やみくもに広範囲照明を使わなくても済みますので、電気打合せの際にぜひ暮らし方、目的を聞かせてください。

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明るさを体感してみたいと心配されていたお施主様も住まい手様のお話を聞いて安心いただけたご様子

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食卓の照明。実際には他にも照明をつけて過ごす。壁を中霧島壁の白壁にして反射を上手く使い、少ない数量で明るさを確保している

 

元々少なめに設定している「陽の木の家」

少ない照明でも決して暗くはない「陽の木の家」。

住んだあとにもっとたくさんの灯りを入れておけばよかったということはあまり聞きません。

つい多めに入れてしまったという方の方が多いように思えます。

始めはびっくりされる数量も、いざ思い切ってみるとその良さに気づきますので、本記事を参考にして、また機会があれば夜の見学会にもお越しいただきたいなと思います。

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広縁の中は1灯。こちらも照度を落として撮影したがお休み前の読書には十分な明るさ

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実際の明るさが見てとれる一枚。手元だけではなく周辺も十分明るい

全体的に明るすぎない方がいいという記事になってしまいましたが、前に述べたように好みと目的、またお体、目のことを優先されてください。

例えばソーラーコムの実際の住まいのモデルハウスでは数量をかなり増やしています。

それは住まう人の視力が影響してくることもあり、時には居心地の良さよりも優先されることはいくらでもあるのです。

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ソーラーコム施工のi-works1.0。数量を抑えたi-worksであっても、夜の照明としては十分な明るさが感じられる

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白壁を増やし、木の現しの仕上げを減らすことも効果的に明るく見せる方法

 

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内装仕上げによる室内の照明の雰囲気を知っていただける過去の記事も参考にしてみてください。
i-worksの写真を掲載しています。

https://www.solarcom.jp/blog/blog-3615/

 

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