【高槻】i-works 3.0 反転プラン

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【高槻】i-works 3.0 反転プラン

見どころ

大阪の高槻市に伊礼智氏システム設計、i-works3.0が完成。

4間角の1.0と比べ3.5間と一回り小さなタイプ(+下屋)。

今回のように下屋として組み合わせると大きく建てることもできる。

吹抜けがないのも特徴なので、2階子供室や寝室、収納を広く取ることができるタイプ。

i-works3.0でも取り入れている設計作法を過去の実例と併せて振り返る。

 

敷地に対して小さく建てることで得られるメリット

敷地目一杯には建てず、スペースをつくり緑豊かに暮らせる設計がコンセプト。

外との繋がりを作り豊かに暮らすには、建物を小さくして土地と建物にかかる予算を抑えることがポイント。

またi-worksは設計を標準化「高価な既製服」にすることで設計と現場にかかる予算を削減。

床・壁・天井の仕上げ、家具、植栽など、暮らしの質を上げるところに予算をかけるという元々のコンセプトがある。

小さく建てることで、隣地との窓の位置を変えて視線をずらし、時には敷地に対して平行ではなく斜めに建てることもある。

気積も小さくエアコン効率は上がり、

家事をする上でも日常の移動に伴う時間もかからない、

何よりこじんまりして佇まいが良く、可愛らしい。

i-works1.0豊中モデル。木製玄関、植栽、木製庇でワクワクする玄関になった

南側の縁側。隣地との目隠や窓から眺める景色には緑を

 

リビング、窓、ウッドデッキ、軒で外と繋がる

光、風を採り入れる大きな窓は、枠がスッキリと見える一枚窓を使う。

窓が一枚の絵画のように感じられるのはここがポイント。

リビングと繋がる窓の外には落葉・常緑を織り交ぜ四季を感じる緑を植え、デッキと軒で繋げていく。

予算、建蔽率が許せば軒を深く出して縁側にするのもいい。

豊かな建物は「外をどう内に採り入れるか」だと建築家だけではない有識者もそう口にする。

内と外とが緩やかに、曖昧に繋がっていくその場所が豊かになる。

窓辺が一番心地い。ぼーっとするのも読書をするのもいい

内と外を繋ぐ場所が本能的に心地いことは五感に素直な子どもが証明してくれる

 

“小ささ” を ”広さ” に感じさせる

単に建物を小さくしたり天井を下げるだけでは、狭さと圧迫感を感じてしまう。

そこで i-works では、窓、照明、室内建具などの工夫で狭さを感じない空間になっている。

 

照明を天井につけない

  ダウンライトは出来る限り少なく

  壁・天井の反射を使う

  数を減らし陰影をつくり、空間に奥行を出す

 

建具や収納は造作で開口を大きく

  室内ドア、収納扉も高さを天井まで上げる

  空間が切れてしまう垂れ壁(下がり壁)をつくらない

 

窓も家具も重心を低く

  LW(LIXILの一枚窓)の高さもH1800mmで低く抑える

  ダイニングの照明もペンダントでどっしり落とす

  テーブル、椅子の高さも低くすればさらに空間が締まる

画像の説明文
画像の説明文
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建物概要

設計・施工 システム設計:伊礼智設計室
設計・施工 :ソーラーコム
建物概要 構造:木造2階建て
工法:在来軸組工法
敷地面積 196.20㎡(59.35T)
建築面積 53.71㎡(16.25T)
1階工事床面積 53.71㎡(16.25T)
2階工事床面積 40.49㎡(12.25T)
延床面積 94.20㎡(28.50T)
外装 外壁材:そとん壁
ウッドデッキ:イペ材
内装 主要構造材:梼原杉・桧
床材:梼原杉(特一等)
サッシ:全開放引き込み窓(LW)・アルミ樹脂複合
浴室:フルユニットバス
完成 2021年1月