木の家暮らしアドバイザーの川口です。
2018年6月「豊中i-worksタウン」モデルハウス完成を前に、建築家 伊礼智さんが生み出す建築のことや、伊礼さんとソーラーコムにまつわるストーリーを、「奥ゆかしき暮らし」と題して全11回でのコラムとしてご紹介していきます。
まず、コラムタイトルにもある「奥ゆかしさ」とは辞書にこうあります。
― 奥深く、上品で心惹かれる。深い心遣いが感じられて引きつけられる ―
僭越ながら、伊礼さんのお人柄がそうであるように、生み出される建築も上品で、深い心遣いが感じられるものであり続けています。
そんな暮らしを夢見る方、また本当はそんな暮らしがピッタリなのにまだお気づきでない方、伊礼さんを知る方もそうでない方も、大阪をはじめとする近畿圏にたくさんの伊礼さんファンを生み出すひとつのきっかけになればという思いで綴らせていただきます。
<心地よさを完全規格化>
誰もが心地よいと思える、小さくても豊かに暮らすことのできる家を、手が届く価格で。
これはホームページにもi-works関連の書籍にも工務店ブログにも書かれている内容です。
‘i-worksとは服飾で言うところの、オートクチュールではなく、プレタポルテ(=高級既製品)の家と言えます。つまり標準化された高級住宅ということになります。
伊礼さんの手により気持ちのいい空間が「標準化」された住宅。素材は厳選され、圧倒的に上質で合理化されたプランを実現しています。標準化のきっかけとなった分譲開発プロジェクトで、部屋を部位ごとに規格化、それを組み合わせることでプランニングし、設計にかかるコストを大幅に削減、庭や家具といった暮らしを彩る部分にもコストをかけられるようになりました。そういった工夫を生み出したのも柔軟なアイデアがあってこそだと感じます。ひとつひとつの空間が心地よいと感じる設計手法は後日の回でご紹介します。
<お人柄が作風に出る>
伊礼さんの魅力は、温厚で穏やかなお人柄にあると思います。名の知れた建築界のスーパースターでありながら、お顔を合わせると素人・玄人問わず、ひとつひとつの疑問にも丁寧に答えてくださる。それも優しく穏やかな口調で。それが生み出す建築の緩やかで心地よい空間づくりに現れています。プロが頼みたくなる人気建築家である所以は、作品はもちろんそのお人柄にあると見ています。
<「小さな家」が代名詞!?>
伊礼さんを語る上でまず外せないキーワードが「小さな家」。
まず、「小さな家」について。
「小さな家 70のレシピ」という書籍が登場している程、伊礼さんの代名詞ともなっています。小さな家でも心地よく豊かに暮らせる設えや考え方です。多くの建築家や工務店がその手法を学び、実践している程です。
実際には「7.5坪の江戸川ソーラーキャット」や「東京町家 9坪の家」のお住まいが有名です。著書の中で「小さい規模の住宅を建築家が設計すると、生活とはかけ離れた住宅をつくってしまいがちになる。けれど伊礼さん設計の家には生活に必要なものがすべて入っていて、なおかつ高い水準で仕上げられている」と称されています。住まいにとってもっとも大切なのは広さではなく、なるべく単純な形にまとめ、心地よい居場所をつくることであると繰り返し述べられているのです。
小さいと言っても、伊礼さんの設計は、標準化された安定の空間に加え、そこで暮らすひとの行動(くつろぎ)を想像しながら設計されているので、結果「小さく」なっているだけで、暮らす人にとっては不便なくとても快適に暮らせる家をつくりだしています。しかも小さい家は建物負荷が少なく、結果省エネに暮らせるという点も大変魅力的です。
広い家がいいのではなく、行く先々に楽しみや居場所が散りばめられている住宅であればある程、ワクワクが増し、飽きの来ない住まいと言えるでしょう。
「このリビングの一番のとっておきは、お気に入りのソファに腰掛けて読書をしたり、お日様を浴びながら外の景色を眺めることなんだよねー。」
こういった風景が浮かぶ暮らしを、いくつ家の中で実現できるか、私たちも楽しみで仕方ありません。
★次回、第2回は「i-works1.0」 お楽しみに!
伊礼さんが豊中にやってくる!講演イベントはこちらから