【第一回】見学会でよく見られ、採用が検討されている部位「LW」

  • 投稿日:2022.6.15
  • 庭/外構
  • 建築家 伊礼智
  • 設計/間取りプラン

見学者様、お施主様に絶えず注目されているポイントについてシリーズでご紹介していくブログです。過去の施工事例を横軸で見ていくとまた新たな発見があるかもしれません。

第一回目は大開口スライディング窓のLWについて。

 

窓は採光・通風だけにあらず

皆さんは窓に何を求めますか?

採光、通風というのが一般的であると思います。

 

ソーラーコムの考えは光と風だけではなく、もう一歩踏み込んで、窓は唯一の自然を取り込む場所であると考えています。光、熱はもちろんのこと、音、季節、葉のゆらぎ、景色など、人の五感に作用する豊かな自然は常に外にあって、外から内へ取り入れる、その役割が窓なのです。

 

建築家である伊礼さんの先達と哲学者はこう言いました。

「建築とはいかに外を取り込むかである」と。

 

つまり言い換えると、豊かな自然を窓から家の中に取り込んで、いつも気持ちよく暮らしていてくださいね、ということなのです。

 

国産無垢の家づくりをするソーラーコムのお客様ですから、家族が健康で長生きできて、建物も丈夫で長持ち、だから窓にも自然的な考えを採り入れたいと考える方が多くおられます。

 

まず見学会で気づく特徴

窓によって外を取り込むという目的があってこそ、このLWの良さが活きてきます。

豊かな外を取り込むための工夫がいくつかあります。

 

一般的な掃き出し窓のような召合わせがない

開口部のセンターにある縦枠がないだけでかなりスッキリした窓になります。当然役割もコストも違うので単純比較はできませんが、この見た目が多くの方に選ばれる大きな要因のひとつであります。


i-works1.0京田辺。一枚ガラスの大開口サッシ。ガラリ雨戸で目角し、通風、光を絞る


i-works3.0高槻。w1650のタイプでも建枠がないだけでスッキリ見える


i-works1.0和歌山。窓は少なく、されど大きく。安心感が生まれる

サッシの枠がない

縦枠がなければ横枠もありません。見えないと言った方が正しいでしょうか。無垢の木の額縁と同面で納まり、これが「絵画のような窓」を叶えてくれるのです。


豊中、二世帯の平屋。景色を切り取る配置と窓選びがポイント


i-works1.0和歌山。室内外の境目がどこかわからないような”あいだ”をつくる


東豊中、和室の掃き出し窓と居間の大開口、高さを抑えることで空間に締まりが出る

引き込むことで全開放できる

引き込みの窓のため全開放ができます。中間期にはフルオープンにして外と繋がる。たとえ室内がコンパクトでも、外と繋がれる窓にすることで広さを感じられるのも特徴です。


i-works1.0枚方。お隣さんが近くとも、見たい景色に変えるための緑の工夫を施す


東豊中の家。吹き抜け、階段と一体となった開口部


池田の家。フルオープンにしてデッキ、室内を繋げると、心ものびやかに、ゆったりとした時間が流れる

LWを採用するだけでは完成しない木の家

ここまで外の自然を取り込むために全開放窓の良さを紹介してきたものの、いつもお話するように、製品の力だけに頼るのは要注意です。窓回りの設計、外がどんな景色なのか、室内外の仕上げ、高さ関係、これらを複合的に考えることでLWの良さを最大限に引き出さなければなりません。決して製品の力に甘えてはいけないのです。「LWを入れさえすればいい」ということでは見学会で体感したような心地よさは生まれないということを知っていただきたいなと思っています。


サッシ高さを抑え、吹き抜けに窓は取らず、奥行きと横の吹き抜けを意識している


無垢の木の額縁と床板。素足でいたくなる窓辺にしたい


室内を窓で繋げ、外にはデッキをつくる。”あいだ”を広く取ると心地よくなる


ソーラーコムではリビング階段もとても多い。段差に腰かけのんびり窓辺を楽しむ

パッと見てわかるLWの良さだけでなく、他複合的な要素があって完成する居場所としての窓も大切にしてみてください。

 

窓を居場所として叶えるための価格

視線の抜けがとてもいいということは十分に分かりましたが、一方で価格が大きなネックとなり採用を見送る方も少なからずおられます。このLWのサッシだけでは心地よい居場所が完成しないことは前述の通りで、ソーラーコムの住まい手様はLWに加え、木格子ガラリ、障子、ウッドデッキ、深い軒、植栽と一体で採用していただくことがほとんどで、窓の増額だけではないというところを理解しておかなければなりません。もっとも、窓がどのような形状であってもデッキ、軒、雨戸、障子、ガラリを求められる方にとっては、LWにかかる費用だけを見ておくことで十分ではありますが、複合的な要素を写真でご紹介します。


室内からも外観もこの木製ガラリ戸があることで締まりが出る


和紙特有のふんわりとした灯りが好まれ、断熱効果も非常に高い


外と繋がる縁側デッキ。


縁側空間は深い軒で守られていてこそ。建物と一体で梁・柱で組む


窓からどんな景色を眺めるのか。山から直接買う枝振りのかわいい樹木


LW単体だけで約200kgの重量となる。基礎の補強も忘れてはならない


居場所にしたい窓であるために、工務店には無垢の床が標準仕様であってほしい


外は板貼りの戸袋で木部に統一感を持たせる


天井と窓の高さ関係も室内の居心地に関係してくる


重心を落とすため、日射遮蔽のため東・南の吹き抜けには窓は取らないことが多い

もちろん価値観はそれぞれですので、コスト面、法的な規制、土地条件などの理由からたとえ引き違い窓を採用されるとしても心地良い設計を目指すことに変わりはありません。しかし自然を取り入れる暮らし、人の感情に配慮するような心も健康になる居場所をつくるのに、どこを差し置いてもこの窓は予算のかけ所と言っていいかもしれません。

 

希望を整理して、暮らし方を見直して頑張って採り入れてみる。それだけの価値はあると考えています。ちなみにここ1、2年のソーラーコムの住まい手様は5~6割の方が採用しておられます。

 

LWと暮らす「陽の木の家」のお施主様

住まい手様がその後LWとどのような暮らしを送られているかをご紹介します。ソーラーコムでは入れて後悔したということはまだ聞いたことがありません。強いて言うなら80歳90歳にとっては開閉のレバーハンドルが重すぎる…ということくらいでしょうか。力を入れられなくなっては別の問題も出てきそうなので、どうなったらこの家を誰にどうするのか、を考えておくに留めておくのかいいでしょうか。


テレビよりも窓の外を眺めることが増える


窓を介して縁側に集まる人。豊かな”あいだ”を作れている証拠


見学会を開催してもまずこども達が向かうのが窓か階段


窓辺にソファを置いたり、床でのんびり何もしない休日が幸せ

 

LWの広告には、「外と繋がれる」と謳われていますが、何のために繋がる必要があるのか、それが豊かな自然を取り込んで心地よく住まうためであるとわかれば、LW以外の部位も何を選べばいいかが見えてきます。落ち着く窓を一緒に考えていきましょう。

 

 ◆

以前i-works1.0和歌山に住む住まい手様宅を訪問した際の記事です。

大きな窓と上手に暮らす住まい手様を取材してきました。

【i-works1.0住まい手宅見学レポート】第3回:縁側に人や豊かさが集まる

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