社寺仏閣の伝統工法「長ほぞコミ栓」

  • 投稿日:2019.1.23
  • 木のこと/梼原

京都や奈良のお寺が地震で倒壊しないのには理由がいくつも存在します。

残念ながらそれらの昔の技術は詳しく解明されておらず、伝統工法を使っても国の建築基準法の計算には算入されない事実があります。

それでも、木の家を建てる構造にこだわる工務店として、昔から採用してきたのが「長ほぞコミ栓」を使う伝統工法です。

木の梁と柱に、同質の木栓を打ち込みガッチリ固定する技法です。

 

梁と柱の柱の接合部全てに打ち込まれる

先端に「ほぞ」という継手があり、コミ栓のための穴が空いている

打ち込まれたコミ栓。何があっても抜けることはない。

屈強な大工が全力で打ち込んでやっと入るほど頑丈なコミ栓

金物に頼ると木が負ける

通常は、建築基準法で定められた金物をいくつも使い構造の梁や柱を固定していきます。

当然、これは法律なので固定金物も使用しなくてはいけません。

しかし金物工法は頑丈で強いと言われますが、実は震度6,7クラスの地震で何度も揺れがくると金物よりも先に木材が負けてしまい、ビス打ち込み部に緩みが生じ構造材が痛んでしまうのです。

長ほぞ込み栓は木と木なのでどちらかが負けることはありません。

構造計算には算入されなくても、構造へのこだわりで+αの性能を得るためにこの「長ほぞコミ栓」を使用するのです。

 

“めんどくさい”からこそやり続ける

木栓を入れるといっても、屈強な大工が「かけや」と呼れる大きなハンマーでたたいて打ち込むような強靭な構造材です。

打ち込めば二度と取れることはありません。

このコミ栓が1棟に200本以上も入ることを思うと、とても心強く、安心できるのではないでしょうか。

ソーラーコムの理念でもある「ちょっとめんどくさい家づくり」のもっとも大切な要因のひとつです。

コミ栓を用意して長ほぞの加工をうけてくれる木材の産地も、それを打ち込む大工にとっても、検査をする監督にとっても、時間と労力がかかることしかありません。

しかし住まい手にとっての大きな安心感に変わるものであるからこそ続けていきたい工法です。

 

ご神木「ゆすの木」を使う

ソーラーコムではこのコミ栓を、梼原の守り木「ゆすの木」の堅木を使っています。

このコミ栓工法に必要な加工を快く受け入れてくださる木材の供給元がないと成り立たない、木の家を愛する集団の結晶なのです。

昨今の大地震をはじめとする大きな災害があるたびに、陽の木の家に悠然と構えるコミ栓を見ていると「心配いらないよ」と語りかけてくれているような気になります。(変人ではありませんよ)

陽の木の家の長ほぞ込み栓を実際にご覧になりたい方はこちら

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