スケルトン&インフィル構造

  • 投稿日:2019.1.22
  • 設計/間取りプラン

間取りがオープンで将来的に自由な空間に変化できる、現在の長寿命型の木の家にぴったりな建物構造のことを言います。

 

可変性

スケルトン(構造躯体)とインフィル(内装・設備)が分離された仕組みで、将来間仕切りの変化やリフォームを要する際に工事がとても容易になります。

お子さんが小さいときには家族みんなで川の字になって寝る。

お子さんが成長した際には、簡単な間仕切りを入れてプライベート空間をつくってあげる。

そしていずれ独立した際には、また夫婦の時間が戻り広々使える。

そういったことが気軽にできるようになります。

内部には6寸角(18cm)の頑丈な大黒柱が1~2本あるだけなので、”取ってはいけない壁”が存在しません。耐力はこの大黒柱と建物外周部の壁で確保しています。

子どもが小さい頃はがらんどう

構造の段階からとてもシンプル

強靭な大黒柱で荷重を支える

 

できるだけシンプルに暮らす

お施主様のご要望を叶えることが大前提ではありますが、玄関から入っていきなり階段、あとは廊下を設けて個室…という形からはなるべく脱却したいという考えがあります。間仕切り、建具、廊下の少ない大空間の中でシンプルに暮らす。

部屋の数だけ設置していたエアコンの台数も減らし、OMソーラーや全館暖房を採用、どこにいても暖かく涼しい空間ととても相性がいいです。

 

基礎もシンプルに

建物の荷重を大黒柱と外周部で受けているので、基礎の形状を極限までシンプルにすることができます。床下の空間に余計な立上りがないことで配管・配線の効率も上がり、点検や将来のリフォームの際にとても有利に働きます。太陽熱で暖めた空気を床下に送るOMソーラーにおいても効率的です。


スケルトンインフィル構造のシンプル基礎

 

子どもが成長しても間仕切りは必要ない!?

では実際、お子さまが成長されてから間仕切りを入れた方はどのくらいおられるのでしょか?答えはほんのわずかな方しか増設されておられません。

理由はいくつかあるようです。

 ・小さいときから個室がない環境で育ってきているので大人になってもそのままでいいと子どもたちが言ってくれている

 ・間仕切りを入れるまでもなく、本棚やベッドなどの家具、カーテンなどで簡易的に仕切っている

 

実際、12年目の住まい手さんで、上のお兄ちゃんが高3の受験生、妹さんが中学生のご兄妹でもオープンな環境を保たれていました。

受験中ということもあり、1階リビングにいるご家族はテレビの音量を小さくしたりする配慮は必要かもしれませんが、オープンな空間で受験勉強ができるほど集中力があるのだなぁと感心したほどです。兄弟げんかをしても隣同士で寝る。理想かもしれませんがそれが叶う環境をつくってあげることも大切かもしれません。

12年前の子どもスペース

現在の子どもスペース

 

ご兄妹仲良く成長されておられます。

変わったのは少しのベッド配置と机の上に並ぶものが、小学生の可愛い本から赤本に。

 

ずっと先の将来も

このスケルトンインフィルの効力が発揮されるのは、近い将来の間仕切りだけではありません。ずっと先に介護などで2世帯的に使う、代替わりで家族構成が変化すると大型リフォームが必要になります。

今の築20~40年の木造リフォームは、”とってはいけない壁”が存在し、またキッチンや水回りなどの配管スペースなども空間を圧迫する原因となっています。それを回避することで影響してくる不具合などを考えると、内部がシンプルであるということは建物の資産価値にも大きなメリットがあるのです。

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