高知は日本一の森林県であり、中でも梼原町は杉・桧の生産地として品質の高い木材を私たちに供給し続けてくれています。
ここで学べること
梼原の木材は、雨・風・雪にさらされる寒く厳しい環境の中でゆっくりと成長するため、年輪の目が詰まっていて、とても頑丈に育ちます。
適切に管理された森は陽の光が地面までしっかりと届き、青々とした下草が生い茂っています。
健康な森は土砂崩れなどが起きないのはこのためです。
管理された森だからこそ、木々が生き生きとしているのです。
山で伐採された原木は玉切りと言って、図のように一番根元から元玉、2番玉、3番玉、4番玉、という風に仕分けられます。
元玉が一番強いように思われますが、元玉や芯材部には、未成熟材が多く含まれるため、強度が弱い物が多くなります。
強度を必要とする木材を取るときは、元玉を避け、2番玉、以上で造材することで
強度の高い原木の確率が高くなります。
木材の強度は、芯材部と辺材部で違ってきます。
図のように、板状に製材して強度を測定すると、芯材部(中心)よりも辺材部(外側)の方が強度があることがわかります。
ここで間違えてはならないのは、この強い辺材部を接着剤で固めて構造材とする集成材が必ずしも良いというわけではありません。
辺材は芯材に比べシロアリが大好きな部位で、抗菌性も少ないことから腐りやすいとされています。
国産無垢材の家づくりをする上では、この丸太の中心のそのまま使う「芯持ち材」を選びます。
芯持ち材は、腐りにくくシロアリにも強いのが特徴で、一本の大木から1本の柱・梁しか取れません。
生きている木をそのまま使うことで得られる家じゅうの調湿効果が高いのは当然のことなのです。
木材の強度を出す上で、1本1本に含まれる含水量が重要な役割を果たします。
原木を伐採した直後には、杉の含水率は65~125%と非常にばらつきがありますが、梼原ではそれを環境に配慮された木質バイオマスボイラーと呼ばれる乾燥窯に入れ乾燥させます。(強度に適した含水率15~18%にまで乾燥)
時間をかけて緩やかに乾燥をかけるということがポイントで、生きた無垢材の反り、割れなどの狂いがとても少ないのが特徴です。
乾燥強度試験や、破壊強度試験を行い、住宅に使われるすべての木材が高品質を保ち出荷されていきます。
使用する構造材を芯持ち材としたときに、先ほどの辺材(芯去り材)部分はシロアリの大好物で、あっという間に食べられてしまいますが、赤身の芯材部分までは一切食べられていません。
また選ぶ材種も杉よりも桧を構造材として選定することが重要と言えます。
土台、柱に芯去り材や、ベイマツ、ベイツガ、ホワイトウッドはお勧めできません…
ただし、木材だけでシロアリの被害から守ることはせずに、基礎構造からシロアリを寄せ付けない方法を取ることが大切となってきます。
梼原町森林組合では環境に配慮した適切な森林管理を進めるため、国際森林認証を2000年10月にグループでは国内で最初に取得し健全な森の育成に努めています。
同組合では森林を認証するFM認証と森林から産出された木材を適切に管理・加工していることを認証するCOC認証を取得し、安心・安全な住宅部材の供給を行っています。
ソーラーコムで家を建てられる方を梼原へご招待をして10年以上が経ちます。
森林見学ツアーはあっても、家の梁、柱に使う木材を家族みんなで採りにいくという活動は中々できるものではありません。
大人は童心に帰り、こどもは森林を学びちょっと大人になる。そんな1泊2日のツアーになっています。
木材を使わせてもらう森の神様に感謝をする、梼原の暖かいひとたちとの触れ合い、美味しい地の物をいただく、坂本龍馬ゆかりの地を訪れる、四万十川の大自然に触れる、木材の加工場を体感して木の家が建つということを実感するなど、たくさんの経験ができます。