長持ちする内装材(壁)の選び方

  • 投稿日:2019.1.28
  • 自然素材/技術

ここでは長持ちをする、ことに加え「より健康に」暮らせる内装材という視点でお話ししていきます。

健康に暮らせるということは、家もからだも長持ちするということに直結します。

よく選ばれる素材ごとに見ていきましょう。

 

まず絶対に使わない内装材

ビニールクロス

塩化ビニール樹脂のクロスは色やデザインが豊富で汎用性も高いですが、シックハウス症候群の問題も未だに残り、風合いについてもマッチしないためソーラーコムでは使用することはありません。

 

偽物の自然素材塗り壁

よくインターネットや量販店でDIY商品などで販売されているもので見かけるのがこの素材です。

同じ左官の塗り壁でも自然素材としての配合が少なく、ほとんど調湿効果も得られず化学製品ののりなどが多量に含まれ悪臭を放つものが存在します。

自然素材塗り壁をご希望のときはなるべく自然素材100%に近い素材を選ぶようにしましょう。

 

よく選ばれる内装材

珪藻土

ソーラーコムでは湯布珪藻土(ゆふけいそうど)を使用します。

湿度を50%前後に保ち、無垢材とOMソーラーとのバランスでいつも新鮮な空気の環境を維持します。

2018年に発生した北部地震で少しの割れが出たお宅もありましたが、簡単にセルフリペアできるのもこの珪藻土の魅力です。

子どもの落書きも簡単に補修できます。

何よりも独特の風合いで空間を落ち着かせてくれます。

湯布珪藻土の仕上がり空気質が良くなるだけでなく、見た目も柔らかな印象になる

湯布珪藻土の割れ下地の痩せによる表面の割れも簡単に修繕できる(実際には味として住めばほとんど気にならない)

 

和紙

手づくりの土佐和紙を使用します。

藁や麻などが含まれた風合いのものがあり、経年変化でほころんでも味のある表情を見せてくれます。

これを家じゅうの仕上げに使うことを考えると、塗り壁でなくても立派な調湿効果のある材料になります。

人気なのは寝室や和室に使われることが多く、LDKには塗り壁がよく選ばれます。

和紙は薄く「重ね貼り」で仕上げるので、重ね部分のラインが出ることも特徴です。

どうしても気になる場合は、伊礼さん御用達,沖縄の「月桃紙」をおすすめしています。

和紙仕上げ貼り合わせの縦線が気になる?実は家具が入ればほとんど気にならない

月桃紙の仕上げ沖縄の月桃紙。伊礼さんが多用され厚紙なので「重ねしろ」がなく仕上がる

 

漆喰

光の反射や塗りの風合いを楽しめる漆喰。

ツルツルとして仕上がりが特徴的で、光の当たり方次第で色んな顔を見せてくれます。

こちらは外壁、内壁どちらで使っても高い調湿効果を得られます。

夏はヒンヤリ、かといって冬はそんなに冷たくはならない、個人的には一番のお気に入りです。

漆喰の仕上がり豊中の家のリビング。光の陰影で1日中飽きのない空間になっている

外壁の漆喰写真は京都に縁のあるご夫妻の東淀川の家。京町家をお手本に外壁にも漆喰を使った

その他自然塗り素材

伊礼さんのi-worksではヴィーナスコートという卵の殻を原料にした塗り壁が採用されています。

落ち着いた仕上がりと柔らかな印象が特徴的でとても上品です。

高い調湿性や消臭効果に優れ、i-worksモデルハウスも心地よい空気環境を保っています。

ヴィーナスコート仕上げ
i-works豊中モデルハウスにもヴィーナスコートが使われている

 

また、合わせてよく選ばれるのは、シラス火山灰を原料にした薩摩中霧島壁。

外壁のそとん壁同様、品質も間違いなく、カラーやコテ仕上げのパターンがいくつもあります。

中霧島壁の内装
i-worksに中霧島壁が使われるパターン i-works仲間の工務店「はなおかモデル」

 

これらの自然素材の塗り壁の中では、どれも高品質で甲乙つけがたく、予算も大差ありません。そのため最後は質感、デザインで決められると良いでしょう。経年で微細な割れが入ったとしてもその味を楽しめるのが塗り壁のいいところだと感じます。

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