陽を取り入れる、遮る

  • 投稿日:2019.1.29
  • 設計/間取りプラン

陽の光は取り込むだけでなく、遮ることも考えなくてはなりません。

方角によって光の性質も異なります。

ここでは「風」に続き「光」も設計プランに直結するというお話をしていきます。

 

採光について

①太陽の回り方を知る

夏と冬で日の回り方は大きく異なります。建物の配置はそのことを考慮する必要があります。 基本的には東から昇り西に沈むのですが、夏至では北に30°、冬至では南に30°振った位置がそれぞれ日の出、日の入りの角度ということになります。 この回り方の性質を利用して、建物を敷地に対して平行ではなく少し傾けてあげると日射取得、日射遮蔽がしやすくなります。
太陽の回り方を設計に生かす

②太陽の角度を知る

さらに日の高さの角度にも大きな違いがあります。 南中時、夏至では81°、冬至は30°の高さから陽の光が射しこみます。 そのため、建築的な工夫(③でおはなし)が欠かせません。これを無視した建物を設計してしまうと、夏の日差しの暑さに耐えられず、冬は寒い思いをすることになりかねません。
太陽の角度を計算して設計する

 

③ちょうどいい軒の出と窓の高さ

夏の日差しは遮り、冬の日差しは取り込む。日本建築の基本です。 日射角が低い冬の日差しは軒の出に関係なく取り込めます。 その際、南面に吹抜けるとより効果的に取り込むことができます。 ただし、最近は窓はあればあるだけいいという考えから脱却し、なるべく窓を絞ることで省エネになり、デザイン上もより向上していくということをi-worksモデルハウスでも実証してきました。i-worksでは①窓自体の高さも低く、②重心をどっしりと構え、③軒は深く出す、④軒下は縁側のようにデッキで外とつなぐ、⑤決して灯り取りだけのために2Fに吹抜け窓を取らないことで意匠性と性能を上げています。
伊礼智の軒の出のスケッチ
伊礼智のi-worksは必要なところに必要なだけの窓がある
i-worksの象徴、大開口でウチとソトをつなぐ役割を持っている

 

 

日射遮蔽について

①軒の出を深く

前に述べた通り、夏場の日差しを遮るために軒を深く出して、その足元に縁側などを作る設計にすれば室内と繋がる心地よい夏を送ることができます。日射角が高い夏至の日差しを遮る設計がポイントになります。

 

i-works 縁側夏の日差しは遮るとまるで北側にあるデッキのように涼しく過ごせる

設計施工:ソーラーコム、造園:荻野寿也景観設計 池田の家

 

②照り返しを防ぐ外側遮熱

1階の窓辺(外部)の仕上げが、タイル貼りやコンクリート仕上げだと、照り返しで窓の表面温度が上昇し、なおかつ照り返しで大変居心地の悪いリビングになりかねません。

室内の障子などで遮ることに加えて、日差しを外側で遮ってあげましょう。

窓辺にウッドデッキや土を持ってくると照り返しが少ない

断熱構造がしっかりしているスクリーンを選び、光も柔らかく透過してくれる

i-works豊中モデルでお馴染みの木製の伊礼ガラリ

なかなかゴーヤを栽培したりすることはハードルが高いですが、落葉樹を植えることで、夏は緑を通して涼しい風を取り入れながら日差しを遮り、冬は光を取り入れることができます。

落ち葉の手入れが大変ということで敬遠されがちな落葉樹ですが、せっかくの自然の家ですから、家族皆で四季を感じ、落ち葉を楽しむ暮らしもやってみると意外な発見があっていいですよ。


落葉樹の落ち葉も掃除ばかりに目を向けると大変さしかないが、四季を感じたり、冬の光を入れ、夏は遮るような暮らしができるもの魅力のひとつ

 

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