無垢の床材の特徴と手入れ方法が知りたい

  • 投稿日:2019.1.30
  • 暮らし/健康
  • 木のこと/梼原
  • 自然素材/技術

住まい手様宅拝見会で必ず出る質問が「床のお手入れはどうしていますか??」です。

これには皆さん何の打合せもなく

 「手入れが本当に楽です」

 「多少汚れていても気にならない」

 「ワックスがけは大変だけど2~3年に1度なら少しずつできる」

 「足元がいつもサラサラしている」

こうおっしゃっていただけます。

 

材種

ソーラーコムの標準の床材は、ゆすはら産の杉です。

オプションで桧や南部アカマツといった材料を使うことも多々あります。

杉の特徴

柔らかく温かい
傷はつきやすい(無数にできるので数年で味へと変化する)
赤身と白太の差がはっきりしている(こちらも数年で美しい飴色に変化)
香りが良い
調湿効果が抜群

杉の床はとても柔らかく温かい新築時、杉の特一等材という節有り材。上小材という節の小さなものもよく使う

杉の床のいい変化をお見せします10年経った杉の特一等材 手入れをしているのでツヤがあり綺麗な飴色に変化している

桧の特徴

温かみは杉よりはないが、傷がつきにくい
赤身と白太の差が少なく、無節材を選べばとても美しい内観になる
温かい風呂場の壁、天井に使うと香りが広がりリラックス効果が絶大
水に強い
杉同様調湿効果が抜群

桧の床ならソーラーコム桧の無節の美しさは群を抜いている

壁が桧のお風呂ならソーラーコム浴室の板貼りは調湿効果もあり、実は手入れが簡単

杉の方が安価なので選ばれることが多いのですが、節があるかないかでも金額が大きく変わってきます。

特に杉の無節はまとまった数が取りにくいため要注意です。

 

お手入れ

いずれも、小川耕太郎∞百合子社の蜜蝋ワックスを2回塗り仕上げでお引渡ししています。

1回塗りと2回塗りとでは、仕上がりのツヤと汚れの付き方、風合いに大きな違いが出てきます。

住んだあとの蜜蝋掛けは大変ですが、1日に塗る範囲を決めて少しずつ塗っていくと比較的ラクに塗っていけます。

一気に塗ると乾くまでの時間そこを歩けなくなるためです。

ここ最近蜜蝋の「ミストワックスバージョン」が登場したのでワイパーを使えるため奥様方に好評です。

無垢材の手触りや温かみが損なわれてしまうので、オイル系や塗膜を張ってツルピカになってしまうウレタン系は床にはおすすめできません。

オイル系は雰囲気を作りたいときの腰壁や棚、ウレタン系は水回り、という風にしておきましょう。

木の床のお手入れは蜜蝋ワックス
手作り備え付け収納

 

傷の問題

柔らかい無垢材なので傷は無数にできます。

木の繊維が切れていなければ、針で少しつついてから水滴を垂らしておけば一晩で木が膨れ元通りになります。

そこを軽くサンドペーパーで慣らしてあげてください。

ただしこの作業も初めの1カ月くらいかと思います・・・

子どもがおもちゃを落とした、物を強く置いてしまった、ペットの爪がひっかかる、色々な理由で無数にできる傷がだんだん飴色に変化する床とともに経年美化の風合いが出てきます。

本革の製品と同じですね。

マンションや建売りのフローリングにはない無垢の床のいい特性だと思います。

杉はまったく気にならなくなります、桧やアカマツも気になりませんが、杉よりは傷もへこみもつきにくい堅い材質です。


10年を過ぎ、毎年手入れされた杉の床。まるでお寺の縁側のような美しさと艶がある

 

スチームモップが有効!?

定期点検で住まい手さんとお話ししていると、「スチームモップめっちゃいいよ!」と伺ったことがあります。

確かに綺麗な床をしていました。

理論上は杉もヒノキも調湿性があるので、水を与え即乾かすということ自体は悪くありません。

付着した汚れも浮かせてスッキリです。ただその場合は、モップ後に蜜蝋ワックスをかけてあげるといいかもしれません。

洗顔ばかりしているとカピカピになってしまうので、化粧水を塗ったりクリームを塗ったりしますよね。

あとやりすぎは表面割れの原因にもなります。(どうってことないのですが見た目の問題です)

 

削ると新築当初の美しさ!?

またまた定期点検で住まい手さんから「表面を削ったらまた新しい床のようにきれいになりますか?」と聞かれました。

答えは「Yes!」です。でもおすすめはできません。

工事現場で打合せをされた方はご存知かと思いますが、4m材を1枚削るだけでもとんでもない量の粉が巻き上がります。

養生するくらいでは防げません。

引っ越し並みに荷物や家具を出す必要があります。

さらに浸透している蜜蝋ワックスがひっかかって、サンドペーパーがすぐダメになり上手く作業が進まないはずです。

法隆寺の大改修で宮大工さんがカンナをひとかけしたら、削り節からヒノキの良い香りがしてまた綺麗な顔を出したことはとても有名な話です。

床板ではカンナがけというわけにはいきませんが、新築当時の感動を、ということでやろうと思えば可能というくらいに思ってくださいね。


新築時の杉の床 赤身と白太の差がまだあり、ここから数年かけて均一になっていく

 

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