伊礼智「12の設計作法」

  • 投稿日:2019.2.2
  • 建築家 伊礼智
  • 設計/間取りプラン

i-works1.0を例に伊礼さんの手掛ける設計作法の一部を紐解いていきます。

住まい手様の価値観や希望・夢・そして予算が加わると、全てをお手本にできないケースも多々ありますが、ひとつでもいいなと思うものを取り入れていくと、上質な空間に近づくので参考にしてみてください。

ソーラーコムでi-works1.0の見学は2019年2月まで!

このページを印刷して実際の建物を見ると納得ができる空間です。

 

1.プランは単純にまとめる

i-works project 1.0は、さまざまな敷地に対応しやすいように正方形でプランをスタートさせました。

4間×4間は、間口7272mm×7272mmの真四角のプラン。

総2階にすると約32坪。

ちょうど4~5人家族が無理なく暮らせる広さです。

この中に、まるでお弁当箱をつくるように必要なものを並べていきます。

1階の平面計画は、[浴室、洗面室、トイレ・廊下、玄関]の4機能とLDKを含む1つの空間というシンプルな構成にしています。

だからこそ、空間を多義的に使う設計が求められます。

2階には和室と、使い方によっては3つの部屋として間仕切ることのできる空間を子供室やフリースペースを設けています。

大黒柱を中心に中のプランを反転させることが容易にできるので方角など敷地条件に合わせてアレンジが可能です。

伊礼智のi-worksの間取り
伊礼智のi-worksの2階の間取り

 

2.廊下をなくす

通路のためだけの廊下をなくします。

寝室は寝るところ、ダイニングは食事をするところ、廊下は通路といった1部屋1機能の考え方にとらわれていては、無駄が多いつまらない住まいになってしまいます。

廊下を楽しくするには、通路をいかに生活に取り込むか。

空間を多義的に使うことは、通路だったり、くつろぐ場所であったり、いろいろな機能をもたせるということなのです。

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伊礼智のウォークインクローゼット
 
 

3.対角線を活用する

視覚的な工夫により、コンパクトな空間を広く感じさせることができます。

写真左はリビングからの眺め。

対角線上に窓を配置して、視線の抜けをつくっています。

写真右は、1階のキッチンの南東側の端から吹抜けを介して、2階の北西側の居室付近まで対角線上に視線が一気に抜けています。

ひと目で家全体のボリュームも掴め、コンパクトでありながら開放的な空間になっています。

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大阪で伊礼智と建てるならソーラーコム

 

4.回れる動線をつくる

空間を多義的に使うには、回れる動線をつくることもポイントです。

キッチンを動線に取り込んで回遊性をもたせるだけでなく、家具を利用して回れる動線をつくることもできます。

キャビネットとソファを背中合わせにして配置すると動線がうまれ、シンプルな平面が、たちまち生きた間取りに変わっています。

丸テーブルを使うことや、キッチンに回遊性を持たせると、お父さんがビールを取りに行くことにストレスを感じることもなくなります(笑)

豊中で伊礼智の物件を見るならソーラーコム
豊中で伊礼智と建てるならソーラーコム

 

5.バックヤードはプランの要

コンパクトな空間を美しく設え、気持ちよく住み続けてもらうには、収納計画がとても大切です。

収納が足りないと、空間に見合わない大きな棚やたんすが増えていき、小さな空間は途端に使いづらくなってしまいます。

i-works project 1.0では、玄関のそばに1.5畳の外物置を配置し、その上をサービスバルコニーにしました。

外から見えないので、洗濯物を干したり、星空を眺めたり、まるで部屋のように使えます。

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i-worksの物干し場ととても使い勝手がいい
 

6.外部とつながる

庭やアプローチをしっかり確保できるのも、建物をコンパクトに設計する大きなメリットです。

庭があると隣地との距離もとれるため、窓を開放でき、かえって室内を広く使えます。

外の景色を室内に取り込むことにこだわり、窓の高さを抑え、室内の光の量を絞ることで、外の景色を絵画のように際立たせる日本建築の手法を取り入れました。

i-worksはウッドデッキがここちよい空間
伊礼智が得意とする緑のある暮らし
 
 

7.天井の高さを抑える

プランをコンパクトに納めるためには、階高を下げる必要があります。

階高を下げると、階段の段数を減らすことができ、階段がコンパクトになります。

一般的に、天井高は2300~2400mmですが、2100mmに抑えています。

高さが抑えられると、縦方向の広がりがなくなり、狭さが強調されるような気がしますが、実は同じ面積なら天井が高いよりも低いほうが、平面は広く感じられるのです。

家全体の容量が小さくなることで、冷暖房の効率がよくなります。

ただし、視線が抜ける場所をつくって圧迫感を感じさせない工夫が必要です。

ちなみにソーラーコムのi-works豊中モデルハウスは2160mmまで上げていますが、それでも一般的には低い感覚だと思います。

でもそれが実は心地よいという感覚をぜひ体感しにきてみてください。

むやみやたらに天井が高い家は実は暮らしにくいということを伊礼智が証明している
天井が低いだけではなく、高いところとのメリハリが大切だとソーラーコムは考えます
 
 

8.建具の高さは天井まで

建具の高さを天井までにして、下がり壁をつくらないようにします。

そうすることで建具の向こう側の空間との連続性ができ、心理的な広がりが生まれます。

収納の建具も天井まで、そして端、角から始まるなど、メリハリをつけて整然とデザインしていくことで空間の美しさが出ます。

美しい収納をつくることで、雑多なもので溢れかえらないようにされている
伊礼智の吊り収納はシンプルに垂れ壁をつくらない
伊礼智の収納を見るならソーラーコム
 
 

9.天井に照明をつけない

灯りの重心を低めにすると、落ち着きのある夜の空間をつくることができます。

必要なところを照らすようにして照明を配置。

ダイニングテーブルの上にはペンダントライト、階段の足元を照らすためのブラケット、ソファのそばにはフロアスタンド、デスクコーナーには間接照明といった具合です。

内装を白く仕上げることで壁が光をやわらかく反射してくれるので、心配するほど暗くなりません。

均一でない灯りが陰影をつくり、空間に奥行きが生まれます。

大阪で美しい家i-worksを見るならソーラーコム
伊礼智の吹抜け空間


伊礼さん設計の豊中の家。漆喰の白を基調とし、重心がどっしり落ち着いた空間になっている

 

10.座って外を眺める肘掛け窓

2階の和室は、座って庭の樹木が見えるように肘掛け窓にしました。

軒がかぶってくるので、包まれているような感覚になります。

ほとんどの家が2階の窓は腰窓ですが、その理由は転落防止のためです。

そこで転落防止の手摺を設けて安全面にも配慮しました。

吹抜けにつながる室内窓もポイントです。

軒が深く出た和室の腰掛窓はとても落ち着きがあるが、i-works豊中モデルのように洋室として床を板貼りにすることもできる。

i-worksの和室
洋室へのアレンジ。寝室としても使いやすい
 
 

11.家具の高さも低めに

ダイニングテーブルやキャビネットなど家具天井を低くし、灯りの重心も下げたら、家具の高さも低く抑えます。

コンパクトなプランは、空間全体の重心を下げることで、広く使うことができるからです。

ちなみに家具以外では、スイッチやコンセントを低めに設置しています。

i-works豊中モデルのはんぺんチェアの奥村家具
i-worksソファはデイベッドとして大活躍
 
 

12.家具は浮かせて床面を見せる

置き家具は、脚付きにして床から浮かせると軽やかな印象になります。

床面が見えると、空間を広く感じる効果もあります。

i-works projectでは、ソファ、ローテーブル、ダイニングテーブル、キャビネット、テレビボードなどオリジナル家具をオプションでご用意。

建築と同時に家具も併せて検討しましょう。

一生ものの家具を世代を超えて持つ。i-worksのコンセプトです。

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